「あ。でもコレ聞いたら質問3つ目ね。」
「……。」
「…、どうする?」
艶やかさを醸し出して笑い首を少し傾げてみせる青を怪訝な顔を隠すことなく睨みつける。
会ったことなんか勿論ない。記憶にないし。
別に私の記憶力が云々とかじゃなくて、本当に知らないのだ。
じゃあ、何でこの男は私を知っている?
(そんなん、私が知りたいよ。)
意味が分からない青の質問に大きく溜め息を吐けば、また頭上からくすくすと笑い声。
笑えないから。あんたのせいでこっちは混乱してんだから。
まあ、そんなこと青が気にするワケもないし。
ただあのいつもの顔で微笑み続けるだけだし。
「…、別の質問。」
「うん。どうぞ。」
ふてたようにそう言うと青はくっくっと喉の奥で噛み殺せなかった笑いを零す。
「あんた…、何から逃げてるの?」
「……そうキタか。」
私がこの質問をしてくるとは思っていなかったのだろう。
一瞬目を見開いて驚いたような顔をしたがそれもすぐに笑顔へ戻ると言葉を続けた。


