「誰だか…、って。あんた隠してたじゃんか。」
私が怪訝に睨めば青は少し困ったようにして笑う。
「んー。まあ、そうなんだけどね?」
煮え切らない態度の青にまた苛々が募り始めた。私ってこいつといたらストレス溜まりすぎてハゲるんじゃないか?
怒ると皺が増えるって言うし…、一応女としてそこら辺は気になるでしょ。
やばいかもしれない。
私の未来、お先真っ暗!?
「ハッキリ言いなさいよ。鬱陶しい。」
「茉希はハッキリ言い過ぎるよね。俺だって人だから傷つくよ~?」
そう言うわりにはへらへら笑っているから信じられないし、怖い。
何て言うか……。私の心の奥の方まで覗いて、ぐちゃぐちゃにされてるような。なんか気持ち悪い位のもやもやみたいなモノに襲われる。
「俺はね、別に言っちゃってもそれはそれでいいんだ。でも、聞いてから困るのは、茉希だと思うよ。」
「……どういう意味よ。」
「そのままの意味。俺は茉希が教えろって言うなら、俺の正体とかそういうこと全部教えるよ。」
――…ここで聞いてしまえば良かったんだと思う。相手のこと全く知らない、知っているのは名前だけ。
そんな人といつまでも変な付き合いして。


