占い師の恋【完】





「てか、何でお前がいる?この時間帯は出歩かねぇじゃんかよ。」

「……緑から電話きた。茉希が渚に拉致られたって。」

「…(俺は犯罪者か)。」



風見さんは少し悲しそうに自嘲的な笑いを漏らしたが、直ぐに青を見つめるように睨みつけ言葉を紡ぐ。


「それで?心配になって駆けつけてきたと。

お前みたいな゙中途半端゙が、茉希の彼氏面か。お笑い者だな。」

「……。」

「何なんだよお前。逃げてばっかりで全部から゙中途半端゙のお前が、今回だけ何で出てくる。」

「……。」

「お前が一番目障りだ。゙中途半端゙が一番。

もう、茉希に関わんな。傷つけんな。゙自分の場所゙に帰れ。」




今までで一番キツく強い口調に低い声。
威圧的な眼力やその風見さんという人が恐ろしいと感じる程に。

下を向いて俯いて動かなくなってしまった青に視線を向けるが、動く気配はない。


「チッ。ガキが…。」


舌打ちとぼそりと言葉を投げ捨てた風見さんは、私から体を離すとそのまま私の手首を掴んで歩き出す。