ごくりと生唾を飲み込む音が静かな部屋に良く響く。

それは明らかに棗ちゃんで。目を見開いて眉を寄せている。

゙信じられない゙って目が語ってる。


「ああ、それと風見さん。」

「…あ?」

急に話を振られたことで怪訝な顔を隠すこともせずに見せてくる男に、くすりと笑ってやり


「ご自分の心に、素直になってください。」

意味は分かりますよね?

そう付け加えると、風見さんはさらに眉間に皺を寄せて見せた。



「後、棗ちゃん……。
ご両親に゙旅行楽しんで゙と。グアムか~、いいなあ。

風見さんは、゙専属スタイリスドの仕事頑張ってください。


「「……。」」



まだ、何か聞きたいことはありますか?

そう聞いた私に、二人は俯き気味に力なく首を横に振った。

「それでは……、幸あれ。」



ぺこりと頭を下げると、棗ちゃんがゆっくり席を立つ。
風見さんもゆっくりと私に近づいてくる。

「何で知ってんだ。」

「…何が。」

「俺に専属スタイリストの仕事がきてんの。まだ誰にも言ってねーぞ。」


酷く混乱したような声は私を強く攻めてきた、が。

だからこそこう言ってやるんだ。


「これは私が見たものです。







所詮、占いですよ?」