(俺じゃないよ。)


コウスケは、細かく手を横に振り、否定した。


(今時、黒で出す奴なんているの?)


(おまけに、俺は今出て来たとこだし、あのゴミはその前からあったんだろ?)


(そんな事より、あの声はサチヱかな?)


(いや、そんなはずはない!)


(もっと若かったはずだ。)


(どう考えても、こんな、しゃがれた声じゃない。)