そこへ、大家のおばさん、サチヱが、お尻をボリボリかき、壊れかけの眼鏡を掛け直しながら出て来た。


それが、癖である。


「あんたかい?あのゴミ。」


眉間に皺を寄せて指差す。


「ん?」


その方向を見るコウスケ。


「あんただろ!あの黒のゴミ袋!」


サチヱの口調が激しくなった。


気付か無かったが、確かにゴミの山から少し離れて、黒のゴミ袋が置かれてある。