「待って!」


若い女の声。


ビクッとした。


もう一度、見回す。


やっぱり誰もいない。


(ちっ!寝不足で頭おかしくなってやがる。)


また走り去ろうとする。


「待って!」


(ん?誰だぁ?どこからだぁ?)


コウスケは、不思議な顔をしながら、また辺りを見回す。