私の言葉に頬を赤らめる七海が本当に可愛くて大切に思った。

私たちが家に帰るともう広間にはみんなが集まっていた。

『みんな。待たせたね・・・。
今日はみんなに伝えたいことがある。
松川との戦いは2年後。
それまでお互い手を出さないことを約束してきた。
だから2年間は安心してくらして。』

「そっそんなの裏切られたらどうするんですか!!」

そう言ったのは確か・・・1ヶ月前に入門してきたやつ・・・。

『大丈夫だ。契約書も書いてきた。
2年以内にお互いの組のやつに手を出したらその組の負け。
だから絶対に手を出すなよ。』

「「はいっ!!!」」

何人かを除いたは、私に従ってくれる意思をみせてくれた。

『それから・・・。もうひとつ。
ここからは誠也にも聞いて欲しい。』

あらかじめ別室にいた誠也を相模に呼んできてもらった。

『誠也もきたし大事な話がもうひとつ。
・・・。私のお腹に智との子どもがいる。』

私がそう言うと周りがざわついた。

『私は智とはもう別れてる。だけど産むつもり。
だから今回の松川の条件には偶然だったとわいえ感謝してる。』

「そんな!!子どもが出来たからその松川の条件を飲んだんじゃないんですか!!」

さっきの子がまた怒ったように言う。

そしてまだ続ける。

「そんななか父親もいない子なんて可哀想なだけだ・・・。」

『お前・・・。名前なんだっけ・・・?』

「スバルです。」

『スバルか。スバル??確かに父親のいない子は可哀想かも知れない。
でもここには組の皆がいる。
それに私の中に中絶する意思はない。
私は誰よりも命の大切さを知ってる自信がある。
私は目の前で両親を奪われてから失語症になったの。
でも今こうして話すことが出来てる。
それはね・・・。誠也や七海や相模や組の皆がいたから。
組の皆が両親に負けないくらい私に話しかけてくれて愛してくれたから。
私はそんな佐山組の組員を誇りに思うよ??
スバル??その組員にスバルも入ってるんだ・・・?』

「組長・・・。何にも知らなくてすみませんでした。」

『いや。いいの。
皆お願い。2年後の戦いのために今は存分に好きなことして??
そして約束して。2年間松川には手を出さない。
もう1度だけ私に松川を信じさせてください。』

私は皆の前で頭を下げた。