私はヤクザ

その人たちに気付いた智はサクラちゃんを抱き上げた。

きっと智も嫌な感じがしたんだろう・・・。

少し目を細めてみると・・・。


今まで何もしてこなかった松川組の組員がそこにはいた。

私の予感は的中した・・・。

私は急いで智たちに伝えた。

「智・・・。サクラちゃんを連れて遊園地から出て・・・。」

『は??意味わかんね・・・。お前は??』

「私は後から行くから。」

『何でだよ!!』

私の声の感じから私が焦っているのが分かったのか智も焦るように私に問い続ける。

「早く!!まえから松川組が来るの!!」

『えっ??だったらなおさら椿を一人には出来ない!!』

「今はダメなの!!!サクラちゃんと智を守るって智のお母さんと約束したから!!」

『無理だよ!!』

そんな言い合いをしてるうちにどんどん近付いてくる松川組・・・。

「智・・・。お願い・・・。私を信じて・・・。」

智の優しさに泣きそうになりながらも智に伝えた言葉・・・。

『分かったよ・・・・・。俺の家で待ってるから・・・。』

「ありがとう!!」

私は智にお礼を言うと松川組の方へと歩いていった。

智は何度も振り返りながら出口へと急いで行った。


『久しぶりですね・・・。佐山の組長さん。』

「こんなところまでつけてきて・・・。お前ら暇なのか??」

『暇ではないですよ・・・。いつ佐山をつぶすか計画中なんで・・・。』

その言葉を聞いた松川の奴らは皆で笑い出した。

「松川健一を倒すまで佐山は生き続ける。」

『組長を倒す??無理な事言わないほうが身のためですよ!!』

今いる中で1番リーダーであろう。そいつが笑いながら言ってきた言葉に私は爆発寸前だった。

でもいくらケンカに強いからって女1人が男10人に勝てる訳が無い。
そんなことバカな私でも分かりきった事。

『今日は組長から佐山さんに渡すように頼まれた手紙を持って来ました。』

そう言って渡された一通の手紙。

私がそれをあけようとしたとき・・・。

『それでは・・・。私達はこれで・・・。』

そう言って松川組は帰って行った。