「きゃっ…!?」

ガラガラッ

「…いたっ‥???」

視界にアスファルト。
少し向こうに、オレンジのセンメンキ。‥と、石鹸とか、中身がちらばってる。

嘘‥???
こけちゃった?

腕に力を入れて体をおこすと、手の平がピリピリする。膝も痛い。
恥ずかしい。誰かいるのに!

アスファルトに座り込んだまま、ちらっと男湯の入口を見ると‥‥あれ?誰もいない‥。

‥ほっとした。でも、ちょっとだけ、残念な気がした。…なんて、私がそんな事を考えていると、、、

「‥大丈夫?」

うつむいた頭の上から、低い声がした。

「わぁっ!」

心臓が大きくふるえた。びっくりしたよ?

顔をあげたけど、見えたのはジーンズの足。

「動けないのか?」

別の意味で動けない私に、また、声がかかる。

「どこか痛めたのか?」

今度は、グリーンノートとタバコの匂い。

顔をあげたまま、動けない花の視界が、ジーンズの足から腰、胸、と、変わっていく。そして、顔が見えたと同時に、眼があった。