「君はいつも冷静沈着だな」 手を繋がれたまま話す社長との距離は意識しない方が無理と言う程に近い。 「ありがとうございます」 目線を上げず社長の胸ポケットを見ながらお礼を言う。 今、社長の顔を見るような事があったら私はきっと平然を装えなくなるだろう。 間違いなく 社長の顔に見惚れて。 「でもそんな君を見ていると崩したくなるな」 そう言うが早く私の顎に手を掛け、無理に私の顔を持ち上げた。 目の前には社長の顔が目いっぱいに占領する。