そこに咲くかたち。

沈黙を破ったのはあたしだった。 



「ト……トイレ…。」

「へ?」

「トイレ行きたい!」




なんてムードの無い…。 

他になかったのかよ、あたし!! 


本気で恥ずかしくなりました…。 









〔どうしよう…。〕

〔戻ってまず、なんて言おうかな…。〕



悩んでいた。

でも、あまり長くトイレにいるのも……。

あたしはとりあえずトイレを出た。






部屋に戻ると、ももちゃんはソファーに寝転がってテレビを見ていた。 


あたしはまた、ソファーの前の絨毯に座る。


「見て見て!愛希ちゃん。これ超うまそ〜♪」


ももちゃんは普通に話し掛けてきた。




〔あれぇ?なんだ、普通だ…。
……ま、いっか。〕




少しだけ拍子抜けしたあたしは、同じく普通に話した。



「どれ?どれ?」

普通に……した。 




でもまだ…


あたしの胸は、さっきのドキドキが治まらなかった。 








キス……されると思ったの…。