そこに咲くかたち。

 

「俺、結婚してねぇよ。」


「…………え…………えっ!?」 


突然のももちゃんの告白にあたしは驚いて、ももちゃんを突き飛ばすように離れた。 

「!きゃぁッッ!」

……突き飛ばしといて…、滑ったのは自分。

「痛い…………。」 

あたしは地面に思い切り尻餅をついた。

「愛希ッ!?何やってんだよ…。」 

ももちゃんはあたしの腕を掴んで、起こしてくれた。 

「……はは…ありがと……!じゃなくてっ!!何!?どうして!?結婚するってあたしよっちゃんから聞いたよ?」 


「……一度は、決めたから。」

「………?…あっ」 

ももちゃんはあたしの手を引いて歩きだした。

雪が積もりだした道をさっきの居酒屋の方に歩く。


「正直、あの時かなりショックだった。…勝手なことだとは今なら分かるけど…」 

「ももちゃん?」 

「本気で好きだって言ってんのに…、回り全部キレイにしようとして…、なのに、あっさりオマエに切られてさ…。」 

「………だって…」 

「あ、わかってるよ。今は。ただ、あの時は俺もかなりテンパってたからさ。まぁ、責任もあったけど、半分はヤケで、結婚決めてた。……だせぇよな。」 

ダサい? 
……とかの問題かな? 


「………赤ちゃん…どうするの?……あの人の…。」 

あたしは恐る恐る聞いた。
ももちゃんは足を止めてあたしの顔を見る。


「妊娠はしてなかった。」



「は?」 

あたしは一瞬意味が分からなかった。 

「とっさに、口から出たんだと。」 

「はぁ〜〜〜!?」 


な……… 






なんだそれは――――――ッッ!!





「おまえ、同じ女なんだから気付けよ…。」 

ももちゃんは笑いながら小声で言った。 




き…… 


気付くかよ!? 

んなもん、わかるわけあるか――ッ!