そこに咲くかたち。

「ももちゃんッ♪」

ほほ笑みながらあたしを見てたももちゃんの目線が、車から降りたカノンちゃんの方へ移った。 

表情が見る見る変わる。

あたしはそれを、窓越しに見ていた。

その表情の変化は、そのまま『あたしが知ってはいけなかった、ももちゃんとカノンちゃんの関係』を、リアルに理解できるものになる。 



「春菜……?えっ…なん……え………?」 




“春菜”……?
 
あぁ、カノンちゃんの本名か……。 





胸が苦しくなった。 
ももちゃんがその名前を呼んだ瞬間、胸の奥をギュッと捕まれる思いがした。 






なんか、もういいや……。 







会いたくて、 
本当のことが知りたくて、ここへ来ようと思っていた。 





でも、 





ももちゃんが
カノンちゃんの名前を呼んだとき 










もういいや。 

そう、思った……。