そこに咲くかたち。

次の日あたしはアラームの音もなく、目を覚ました。

思い出したのは、電話の続き。

〔そうだ……
名簿…… まだみんなに聞き終わってないや。〕 


また電話の続きをしなければ、と、ベッドから起き上がった。 



なんか頭が痛い……。 
眠れなかったからかな……。



寝起きで重い目蓋をこすりながらケータイを見た。 
不在着信   22件 
受信メール  7件  

「は!?」

ボーッとしてた頭が一瞬で目を覚ます。 

大量の不在着信は、なんとなく予想がついた。 
ため息をつきながら、あたしはケータイを操作する。 


「やっぱり……なおくん…。」 



なおくんの着信がズラッと並ぶ中、あたしは見つける。
ももちゃんの名前。
21件の着信に紛れて、ももちゃんからの着信があった。 
時間は深夜2時。
なんでこんな時間に…。

少しだけ驚いて、少しだけ自分の顔が笑っているのに気付く。



あたし…… 
ももちゃんの名前を見ただけで 
幸せになれるんだな……。
 


恥ずッッ! 



あたしは自分の頬を両手で叩いた。 
そしてまたケータイを見る。 


今度はメール画面。

きっとメールもなおくんなんだろうな……。 
気付いたのかな……
あたしが彼女にメールしたこと……。 



受信メールの画面を開くと、なおくんのメールが6件、そしてももちゃんの名前もあった。 

あたしはもちろん、ももちゃんからのメールを先に開いた。


ドキドキ

これは、うれしい緊張。

そうだよね。