そこに咲くかたち。

さっきは5分もしないで返信メールが来たのに、もう、30分以上たとうとしていた。

あたしは何度もメール問い合わせをしたり、電波のいい場所を探して、部屋の中をうろうろした。 

落ち着かない。 

何か失敗した……? 


あきらめかけていた時、メール受信音が鳴った。 


「!!き……きた……。」

少しホッとして、またすぐドキドキに変わる。 
緊張しながらあたしはまた、メールを開いた。 

『ん?ユイ…?ホントに私で間違いない? 
なんか違う気がするんだけどな…
アドレス間違えて送ってるかもよ確かめてみてね 
よく分かんないけど、がんばってね』



なんかこの人………

いい子っぽいんだけど…。 
なんでたかが間違いメールに……こんなにしっかり返信をくれるんだろう…。 


でも…、 


もう一息なんだ。 
あたしはもう止まらないから。 

あと1つ……。 


『ごめんなさい!途中アドレス間違ってたみたいです。nとuが逆でした!ホントに失礼しました! わざわざ返信ありがとうございました。』 


これで……

この返信メールが、うまくいけば……

あたしの知りたいことが返ってくるかもしれない。 


そして 

メールは来た。 


あたしは生唾を飲む。 



『なかなかお友達に届かなくて大変だね 




ちなみに 
nとuを逆にすると、 
うちのカレシにメール行っちゃうよ 
こまったね       』









“カレシ”……





“元カレ”じゃなくて、
“カレシ”……か………




そっか………。 








やっぱり………











あたしは騙されてたんだね。 









あははは――――
おもしろすぎ――― 
まさかこんなにうまくいくなんて――― ね 


すごいな――ッ
なおくん、
最後まであたしに嘘付き通したんだね――♪



あはは…は……










ムカつく。