18時を告げるチャイムが鳴った。

「お疲れ様。さぁ、いってらっしゃい。」

琴美先輩が私に言った。

「書類整理は私がしとくから。」

「ありがとうございます!」

こういう時は素直に甘えれば良い。

これも、先輩に教えてもらったこと。

鞄に荷物を詰め込んで、席を立った。

髪が揺れて、先輩がくれた香水が少しだけ香った。

さぁ、勇気を出そう!

「お先に失礼します!」

仕事をしている他の社員さんやアルバイトさんたちに声をかけて、会社を出た。

夕焼けが一番綺麗なタイミングだったみたい。

街が赤くノスタルジックに輝いていて、気持ちが高揚した。