「ちょっ、えっ、香帆?!」 ごめんチエちゃん、 ほんとにごめん、 そう思いながら私は教室の近くのトイレまでひたすらに走って行った。 体育祭でもこんなに一生懸命走らなかった。 個室に駆け込んで乱れる息を整える。 息は落ち着いても、鼓動はちっとも収まってくれない。 意味もなく泣き出したくなった。 すっごく、すっごく、先輩のことが、大好きだ――――。