最後に口元を緩ませて、仮面から一筋の涙が


「ピエロさ…。」


最後の言葉を遮るように彼は叫びます


『さぁ!!!
我がサーカスの最後の舞台です。
私、ピエロめが踊りをご披露いたしましょう…!』


踊る、踊るピエロは踊る
大衆の視線の中で泳ぐように

真っ赤な炎に搦め捕られて


その最後の舞台は
大衆の視線を引き付けて離さない
目の下に焼き付けられるように、じりじりじりじり心まで焦がしてゆく


黒い影はやがて消えてゆき、目では認識できなくなった頃

小さな拍手が彼の最後の舞台を讃えるかのように響き渡りました
それはそれは小さな拍手が

炎が消えて、朝焼けが変わりに映えて来る頃まで
いつまでもいつまでも響き渡りましたとさ