「悲しいよ、ピエロさん。
とても、とても。」
『どうして君が泣いているんです?』
「痛いんだ、ここが。
きゅーって締め付けられて、なんでかな、おかしいよ。
涙が止まらないよピエロさん。
怪我をしたときよりもずっとずーっと痛いんだ。」
男の子は自分の胸の辺りのシャツをきゅっと掴んで涙を流します
それを黙って彼は眺めます
気づくか、気づかないかくらいに、少し唇を噛み締めて
「誰なの…!
その火をつけたひどい奴は!!」
男の子の次の怒気を孕んだ言葉に彼は更に唇を噛み締めました
『子供、ですよ。
幼くて、何にもわからなかった子供。
ただ、親が少年を非難してるからと言って真似した子供が火をつけたんです。
まぁ、それは…少年が後からある人に聞かされたそうですが…。』

