赤い夜のサーカス







時は夜

それにしてもピエロさん
昨日のアレはなんだったのだろう

外にでてはいけないと言われていたため、男の子は部屋の中で一人夜空を眺めていました


今夜の月はぎらぎらと獲物を探すかのように輝いています

コンコン


男の子の部屋の窓からノックの音がします

男の子は何と思うわけもなく、窓まで駆けていきました


「ピエロさん!!」

男の子がその名前を呼ぶと、彼は人差し指を唇にあて、『シー…。』とただそう呟きました

「ど…どうしたの、ピエロさん。」


男の子はハッとして、できるだけ小さな声で彼に話しかけました

『話は後です。
私について来て下さい。』

彼は男の子に手を差し出すと、男の子は思わず手を伸ばしてしまいました