いつ来てもおばあちゃんの家は大きいな、と思う。 昔に建てられたらしく、とても古いけど 土地は広くて大きい。 お父さんが生きてた時は私もここにすんでいたのだけれど。 「おばあちゃん、桜だよー」 そう言いながら私は玄関の扉をコツコツと、叩く。 インターホンは潰れているから鳴らさない。 目の前の戸がゆっくりと横に開く。 「あら桜ちゃん、来てくれたのね。」 おばあちゃんはそう言ってくしゃりと顔を崩し、微笑んだ。 私はこの笑顔が大好きだ。