「べつに平助でいーよ。
藤堂さんはなんかイヤだし。」
「んじゃあ…平助…?」
少し照れながら俺の名前を呼ぶ桜に
ドキリとしたことも俺だけの秘密にしておこう。
「そうそう!それでいーよ。」
俺も自然と口元が緩み
つい笑顔になってしまう。
「それじゃぁ…私は行きますね。
これを沖田さんに持って行かないと行けないので。」
お椀を持ち桜はその場を去っていく。
「あっ!!なぁ…」
…なんで呼び止めたんだよ!!
桜が去ることに惜しくなって
俺はつい声を発してしまった。
「なにですか?」
「…あとでお茶持って行ってやるよ。」
立ち止まった桜に言える唯一の言い訳が
これだった。

