「あーあ、嫌なこと思い出しちゃったな」 壁を探りパチリと電気のスイッチを入れる。 一番初めに机の上の1000円札に目がつく。 今日はこれで晩ご飯を食べろってことだろう。 今日は、と言うか毎日だけど。 家族団欒で食卓を囲むなんて私にとっては夢のまた夢。 「おばあちゃんのとこ…行こっかな。」 おばあちゃんは私の本当の父親の母で、おばあちゃんだけはいつも私のことを考えてくれている。