祭からの帰り道、月が雲に隠され辺りは暗闇に包まれた。 俺はそんなこと気にせずに歩き続けると、 何かにぶつかった。 「痛っ!!」 甲高い声が聞こえた。 雲が少しずつ晴れていく。 その声の持ち主の姿がどんどん照らされていく。 高い位置に一つにまとめた漆黒の髪、 スッとした鼻筋に大きいとは言えないがパッチリとした瞳。 月明かりのせいか、その姿を俺は美しいと思った。