rain×rain【完】








「はぁ、はぁっ…」





私は息を荒らげもの影に身を潜めた。







『あいつどこいきやがった!?見つけたらタダじゃすまさねぇぞ!!』




そう言う荒い大声が聞こえる。
まるで私のいる場所に言っているように





ドクンっと大きく心臓が脈を打った。






早く、早くどこかに行って…!!



今、私は浪士に追われている。





「なんでこんなことに…」





ーーーーーー




つい30分ほど前


私は京の町を歩いていた。




京都は京都でもぜんぜん現代とは違うな…






「本当にスリップしちゃったんだ」





そう呟きながらただ立って途方に暮れる




そして、身体に大きく振動が来た。






「うわっ!」






思いっきり地面へと尻餅をついてしまった。





「ごめんなさい」




私は立ち上がり砂を払って、そう言いたち去ろうとした。







…けど、





「お前、俺にぶつかってそんなことだけで済むと思ってんのか?」










相手はニヤリ、と気味の悪い笑顔を浮かべた。






やばい、逃げなきゃ!


私は途端に全力疾走した。