「外が騒がしいな。」 そう言われるとそんな気がする。 高杉は外を見ながらそんなことを言った。 「今日は祇園祭の宵山だからか…」 もうそんな季節だったのか。 祇園の宵山は素晴らしい。 各山鉾町の駒形提灯に灯がともり、 鉾からは祇園囃子が流れ… きっと最も祭の風情が盛り上がる時であろう。 そんな風に祇園の風景を思い浮かべていると再び高杉が口を開いた。 「今ごろ、この事件のことを聞いた三家老らの福原越後や益田右衛門介、国司信濃はご立腹だろうな…。」