「おいおい、その辺にしといた方がいいんじゃねえか?」



俺は逃げる彼女と追いかける浪士の間に入った。



「お前は…新撰組っ!!」


俺の浅葱の羽織りを見るや否や、

顔を青くして元来た道へと帰って行った。


「左之さんっ!!」


聞き慣れた声。


「ったく…お前だったのか。」



俺がそう言うとあいつは「すみません」と小さく謝り、
血相を変えて俺につかみかかってきた。





「本命はっ…池田屋!!」