「近藤さんの家族は別に僕たちに無理矢理なにかをさせることはなかったよ。」



そう、みんな優しかった。


その当時の様子が鮮明に思い出される。


「僕たちが江戸を離れた後、姉さんに縁談がきた。沖田の血を継がせるために婿をとったらどうだってね。
別に断ってもよかったと思うけど…
姉さんはそれを受け入れた。」


「尽くす」ために。


血を繋いでいくために。



「姉さんは土方さんを裏切ってしまったんだ。」