「沖田さん、桜です。失礼します…」 私はそう声をかけてから静かに襖を開けた 「おいで、待ってたよ。」 沖田さんはいつもと変わらぬ笑顔で手招きする。 「一応消毒はしておこうと思って。」 沖田さんはすっと救急セットを取り出した 「あっ…」 忘れてた。 私の頬は思い出したかのようにズキンとうずき出す。 「破傷風になっても知らないよ?」 クスッと笑って沖田さんは慣れた手つきでパコンと箱から消毒液と綿を取り出した。