「その子はミツじゃない!!」


この声はきっと左之さんかな?


その声と共に土方さんの表情が急に変わった。


何かが解き放たれかのように土方さんの力が抜けていくのがわかる。


刀を落とし、茫然と立っていた




土方さんは私の前にしゃがみこんだ。



そっと私の頬の傷に触れる。



その手はさっきまでとは別人のように優しく、優しく頬をなでた。




グイっと私の体が急に前へと引き寄せられた



手の自由がきかないため、私は前屈みで膝をつき上半身の体重を土方さんにあずける姿勢となった。



「なにしてんだろうな俺は…―」


どこか寂しいような悲しいような声で土方さんは呟いた。