「平助っ!!」
部屋に総司が血相を変えて飛び込んできた
「土方さん見なかった!?」
ずっと走り回っているのか総司の息は上がり、汗もびっしょりでていた。
「見てないけど…なんかあったの?」
明らかに様子がおかしい。
総司は一瞬迷っているような素振りを見せ、話し出した。
「…あのクシを桜ちゃんが持ってたんだ。それを見た土方さんが………」
「桜ちゃんを連れて行った。」総司はそう言いながら力なくその場にへたり込んだ。
あのクシ………
どのクシなのか聞かなくてもわかった。
土方さんがそんな風になるクシなんて
この世界でたった一つ。
そう、あれは…。

