rain×rain【完】




土方歳三が『鬼の副長』と呼ばれるのがやっとわかった。



ここは拷問部屋。


貼り付けの道具やロウソクなど、
壁には乾いた血がべっとりとついていて
どこか生臭い。



ここで死んでいった者も少なくないはずだ


ここではすべての自由を奪われる。


その証拠に私は今、手を縄で後ろに縛られて、口を布で封じられている。



「てめぇ、正直に話さねえと……。
どうなるかわかってんだろうな?」



口に布を噛まされているのだから話すも何もない。


土方さんは氷のような冷たい瞳で見下す。







目の前にいるのは正真正銘に『鬼』だ。