土方さんはよほど驚いたのだろう、
大きく目を見開けそのクシを凝視した。
「なんでてめぇが持ってんだ?」
すぐにでも僕に襲いかかりそうな顔つきで問う。
「……僕が持ってたんじゃないですよ。」
その言葉を聞いてうすうす感づいたのか
土方さんの視線は桜ちゃんへと移る。
「じゃぁ誰が持ってたんだ?」
…もうわかってるクセに。
今すぐにでも桜ちゃんに飛びかかりそうな土方さんから守るようにして、僕は桜ちゃんの前にすっと立つ。
「桜ちゃん…ですよ。」
その言葉が合図だったかのように土方さんは僕を押し退け、桜ちゃんの手をつかんだ
「ちょっと来い!!!」
そう怒鳴って彼女を連れて行ってしまった
…まずい。

