Fahrenheit -華氏- Ⅱ



「ココネ?」菅井さんが不思議そうに首を捻り


「あ……ほら、先ほど会ったでしょう?あの黒髪で長身の女」


「ああ」菅井さんは合点がいったように手をポンと叩き


「彼女、俺の友人ではなく、る……柏木さんの親友なんです」


「そうだったんですか。あ!そうそう、“彼女”の話で思い出しました。神流さんにお見せしようと思って僕持ってきたんです」


そう言って菅井さんは足元に置いたビジネスバッグから一冊の雑誌を取り出した。



それはインテリア雑誌のようで、しかし日本で発売されているものではなかった。雑誌の表紙にぎっしり埋まった見出しは全部英語だ。


「うちはインテリア家具を扱う会社でもあるので、海外から参考資料として雑誌を取り寄せることもあるんです。あ、因みに私の部署は主にカーテンを取り扱っていますが」と、急に仕事口調の菅井さん。


菅井さんは雑誌をぺらぺらとめくり、やがて目的のページを見つけたのか


「あ、あった、あった」と言って雑誌を開いて見せてくれた。


そのページには、かなり個性的……と言うかモダン?なデザインのテーブルとソファが並んでいて……丸いフォルムのその変わった形のソファに長い脚を組んで腰掛けていたのは




「心音ちゃん!?」