心音に指摘され、あたしは露骨に顔をしかめ腕を組んだ。
「Thank you for the tip.(ご忠告どーも)」
「雇われ社員の管理職なんてお堅い地位にいつまでとどまってるつもり?
あんたはFahrenheitを立ち上げたとき、もっと生き生きしてたわよ。堅苦しい人間関係なんて気にしてなかった。そんなあんたが好きだったわ。
あんたはその気になれば、もっと高みに行ける。あたしは
そんなあんたが好き。
必ず、取り戻して。あなたの大切なものを」
取り戻して―――
そうね、取り戻して見せる。
「心音、
今日はありがとう。やっぱりあなたは
My friend is a very important person in my life.(あたしにとってかけがえのない人)
Thank you.Thanks a million.(ありがとう、あなたは最高よ)」
あたしの最後の言葉に、心音はほんの少し瞳を揺らして、あたしをしっかりと抱きしめてきた。
「Me too.(あたしもよ)I love you.(愛してるわ)」
I love you.
この時抱いた気持ちはホンモノだった。
でもあたしはまだ知らなかったのだ。
心音が何を抱えていて、本当の……そうね、言い知れない深い闇を抱えていたことを。
でもこの時点で、心音の奥底にあるたぎるような熱い思いをあたしは気付かなった。
この時のあたしは、そうね―――
心音の言う通り、雇われ社員よりも経営の方がずっと面白いし楽しかったから、将来的にはそうしてもいいと思う。
けど
今はまだ、ううん……これからもずっと―――
啓の隣で、彼と一緒に仕事していたい。
そう思っていた。
「すみません」あたしは総務部の女性社員に声を掛けた。
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