何でかな…
瑠華と居ると(ついでに佐々木も←失礼な扱い)通常だったら億劫なことが全然苦にならない。
むしろ、この三人で居るとすっげぇ心地良いんだ。
「部長!またレイズ株式会社の髙木様からCC:でメールが来てます。
まだお返事差し上げてないのですか!」
ガミガミ…
ああ、またはじまったよ~瑠華の小言。心地良いけど、やっぱちょっと怖い……
「メール受信した時間から一体どれだけ経っていると思っているんですか。それほど大変な案件ではなくても、スピードを大事にしてください」
と、怒られている最中だった
「あのぉ……失礼します」
とパーテーションの影からひょっこりシロアリ緑川が顔を出していた。
いつもは鬱陶しい存在のシロアリだが、何か今日は助かった??
「どした?」俺はシロアリに顔を向けた。そもそも部署の違うシロアリがここに何の用があるって言うんだ。
「柏木補佐、少しお時間宜しいですか?」と遠慮がちに瑠華の方を目配せしていて
「……ええ」瑠華はさっきまで頭に角を生えさせて俺にガミガミ言っていた覇気を仕舞いこみ、戸惑った様子で何とか答えている。
「ですが、私に用と言うのは?物流管理本部の皆様を差し置いて私がお応えするのは…」
瑠華の言葉に俺も椅子を後ろに退いてパーテーションから隣の部署を盗み見ると、その席はほとんど空席だった。会議でもやってんのか?
シロアリもその隙を狙ってきた、と言う感じに見える。
瑠華はバッグから財布を取り出し、
「では、少し休憩でもしましょうか。そちらも抜けて良さそうなので。コーヒーでも、自販機ですが」とあっさり頷き、シロアリはほっとしたように表情を緩めて大きく頷いた。
そして瑠華とシロアリは廊下の奥の自販機が設置してある場所へと移動していった。
後に残された俺と佐々木は二人して顔を合わせて、二人して肩を竦めた。



