Fahrenheit -華氏- Ⅱ


ここで妙に神妙な面持ちで話していると、誰かに何か噂されるかもしれないしな。


幾ら食堂は人が少ないとは言え、まばらだがまだ食事をしている社員たちも居る。


「お酒は……あまり強い方じゃないです」


瑞野さんは恥ずかしそうに笑った。


そこんとこも瑠華に似てないんだな。こう考えたら瑠華と瑞野さんが似てるのは雰囲気だけだな。


「じゃぁ桐島に相談してノンアルコールカクテルの種類聞いておくよ」


「いえ!そんなっ、とんでもない。お気遣いなく」


とどこまでも謙虚な瑞野さん。


う゛~ん……見た目…と言うか雰囲気は瑠華に似てるのに、中身が全然違う。


「ところで、私ハロウィンパーティーなんてはじめてで、皆さんどうゆう格好でいらっしゃるのでしょうか」


と瑞野さんは少しだけ不安そうに…しかし真剣に眉を寄せる。


「そんな大したもんじゃないから、好きな服着て来て。る……柏木さんもふつーのドレスだって言ってたし」


まぁ瑠華の場合殺人鬼の設定だから、ふつーの格好の方でもいい、と言う理由があるんだけどね。てかあの人、凝った衣装を探したり作ったりするのが単に面倒、と言う理由もありそうだけど。


「綾子にそれとなく聞いてみたら?」と聞くと


「木下リーダーは、『瑞野さんは妖精とか似合いそう』っておっしゃって」


妖精……まぁこのふわふわした感じだと妖精はぴったりな感じはするが。


「でも、妖精なんてちょっと私には不釣合いな気がして……何と言うか恥ずかしいです」


と、瑞野さんは顏を赤らめる。


う゛~ん……瑞野さんの謙虚さを瑠華に少し分けてほしいよ。