「あたしが得意とするのはシューティングゲームだけど、今度は美少女育成ゲームにChallengeしようかと♪」
あ、そ。勝手にしてくれ。
と俺は若干呆れ気味。
「オンラインゲームで、オタクたちをたくさん吊るの。よりハイスペックな女の子を育成するために、顧客から金を引っ張れるわ♪」
と、まぁ彼女は彼女なりにビジネスには貪欲だってことだな。
と言うわけで約半日の観光を経て、それに振り回された瑠華は魂が漏れ気味。
よく見るとローテーブルにはビールの空き缶が数本と、赤ワインのボトルが一本置かれていて、
こんな時間に、アルコール!?
と思ったが、飲まなきゃやってられない、と瑠華の視線が物語っていた。
たった半日で瑠華をここまで消耗させるのは、流石に「破天荒」な心音ちゃんしかできないと思う。
俺、寝てて正解だったかも……と今更気づいた。
「ケイト、ねぇお腹すいちゃったわ。何か作ってよ、料理上手だと瑠華から聞いてるわ」
と、心音ちゃんはマイペース。
はいはい、作りますよ。
心音ちゃんに何を言っても無駄だと早々に諦めた俺。
結局、瑠華の家の冷蔵庫にある食材で、簡単なものだったが、天ぷらと大根と揚げの味噌汁、キノコ類の炊き込みご飯を作ってテーブルに出すと
ようやく瑠華が元気を取り戻したように、俺の料理をおいしそうに食べ始めた。
それを見てちょっと安心。
「Wow!このエビ天最高!こっちのは??」と海鮮掻き揚げを口に頬張り心音ちゃんはご満悦。
食事をしながら、心音ちゃんは飲む、飲む、飲む!!
珍しい日本酒は俺が以前、瑠華にプレゼントしたものだったが、それも一升瓶空にしてったからな。
ああ、早く明日にならないかな……
仕事してた方がまだ…いや、全然楽!



