「気持ちよさそ~に眠ってたから、起こしたら可哀想だと思って、瑠華だけ呼んだの♪」


と、心音ちゃん。心音ちゃんも変なところで常識人だな。


ま、心音ちゃんだって会ってまだ一日しか経ってない男も一緒よりも、気心しれた女二人の方が楽は楽に違いないが。


でも瑠華のこの疲れよう…


一体どこまで行ってきたの!?


「浅草と~築地(現在は豊洲ですね)と~、アキバと、それから原宿☆」


と、心音ちゃんは楽しそうに教えてくれる。


浅草、築地は……何となく分かる。いかにも外国人ウケしそうだしな。だけど何で秋葉原と原宿??


「東京タワーとか、皇居とか、明治神宮とか、普通は行きたいんじゃない?」


心音ちゃんは見た目100%日本人だが、99%ニューヨークっ子だから、ほぼアメリカ人と考えれば行きたがる所は俺が今連ねた名所だとばかり思っていたが。


「TOKYOタワーは明日ぐらい見にいくわ。何せ一週間は滞在する予定だし」


一週間……


つまり7日間は心音ちゃんが瑠華の家に居るってわけだよな~


一週間……何も起きなきゃいいけど……


「秋葉原でメイド喫茶なるものに連れて行かれました」瑠華はまたもぐったりとソファに逆戻り。


アキバでメイド喫茶!?瑠華と心音ちゃんが!?


激しく不釣合いなんですけど!どこでどーしてそーゆう流れになった!?


と、もう突っ込みどころ満載!


「日本のオモテナシは最高levelね♪究極の接客業だったわ!」と心音ちゃんは一人でエキサイティング。


「も、もしかして……もしかしなくても


『お帰りなさいませ。ご主人さま❤』とか言われちゃったり!?」


俺の問いかけに


「………」


瑠華は無言。


代わりに心音ちゃんが「Yeah!」と一人だけ楽しそう。


俺だって行ったことないのに!


「欲しかったPCのパーツもあったし、交渉したら値引いてくれたわ♪素敵な国ね!」


いや、値引きしてくれたのは店員が男で、ついでに言うとあふれ出すフェロモンで心音ちゃんが迫ったに違いない。


「原宿は、そうね……何て言うのかしら、もうExciting!


あちこちでロリータファッション??って言うの?したかっこの女の子たちが居たし、たくさん写真撮ったわ!


Fashionableな街ね、原宿は♪」


心音ちゃんはスマホを俺に手渡してくれて、その写真の何枚か見せてもらったが、確かに俺の理解できない派手派手フリフリフワフワなまるで人形のような格好をした女の子たちと笑顔を浮かべてこちらにピースサイン。


俺は忘れていた。


心音ちゃんが若干、オタクが入っているってことを。


「この貴重な経験を次のGameにしようかと思うの!」


ああ、そ。もう俺、心音ちゃんのペースについてけないよ。