次の日、目覚めるとすぐ近く……瑠華が眠っていた場所はもぬけの殻だった。
シーツに手を這わせてみると、少しばかりの温もりも感じられなかった。
確認する意味で近くの携帯を引き寄せ、時間を確認するとデジタル時計は13:32を指していた。
「ヤッベ…俺、寝すぎ」
幾ら瑠華の隣だからって気が緩んでる。昼過ぎまで恋人の部屋で寝るとか、ありえんだろう!
ガクリと肩を落として、それでもノソノソとリビングに向かった。
心音ちゃんはあまり日本に来たことがない様子だったから、今日辺り瑠華と一緒に東京観光でもしてるかもしれない。
明日になれば、俺も瑠華も仕事だし心音ちゃんの相手をしてあげられる余裕なんてないしな。
と思ったケド、意に反して二人の女はリビングのソファでくつろぎ中だった。
心音ちゃんは何が楽しいのか妙にハイテンションだったけど、その反対に瑠華はげっそりとしてソファの背に頭を預けている。
俺を見ると瑠華は救世主の登場かの如く目を輝かせて頭を上げる。
な、何があったの!?
「おはようございます」
「お……おはよ~…」俺は何とか苦笑を浮かべ、へらへらと手を振る。
二人の間で何があったのか分からないが
ま、まぁ??心音ちゃんのあのテンションに付き合ってくのは大変だよね。
いくら見た目がいい女でも、俺でも半日で「バイバイ!」だ。
だが二人は単なるお喋りでこうなっているわけではないらしい。二人の話に寄ると、どうやら一晩中心音ちゃんは東京の行きたい所を検索して、早朝に瑠華を無理やり起こし、今の今まで東京を案内させていたと言うわけだ。
っていうか、瑠華を起こしにきた時点で俺も気づけよ!って感じだよな。
いつもの神経質、どこへ行った!?



