さすがに俺も瑠華も体力的にも精神的にも疲れているのもあって、お互い体を重ねることなく大人しく就寝。


ベッドにもぐりこみ「おやすみ~」と瑠華にキスをした後、その後の記憶はさっぱり。つまりすぐに眠りに入ったわけだ。


だが、どう言うわけか疲れている筈なのに、夜中に目が覚めた。


嫌な夢を見たワケじゃない。ただ何となく、瑠華以外の女が別室で休んでいると言うことに少しだけ緊張……と言うか、気になってたんだろうな、二時間ほど寝たところで目が覚めた。


こんなときまで変な神経質は困るぜ。


瑠華は俺の腕の中、心地よさそうに寝息を立てている。


俺は瑠華を起こさないよう気を付けて、そっと腕を抜き取ると寝室を出た。


水を一杯貰うつもりでリビングに行くと、リビングは明かりがついていて、ローテーブルに四台のノートPCを広げてソファに座った心音ちゃんが真剣そうにモニターを眺めているのを目にして、俺はちょっと目をまばたいた。


心音ちゃんはすぐに俺の登場に気づいて、四台あるうちの一つのPCを静かに閉じた。


「どうしたの、こんな時間に。寝れないの?仕事?」


俺が最初に聞くと


「時差ボケなのよ。仕事と私用。ゲストルームのテーブルは狭いから四台並べられないし」と心音ちゃんは軽く肩を竦める。


瑠華が言った通り、心音ちゃんはパソコンオタクのようで、本人が言った通り5時間以上PCに触れないと中毒になると言った言葉がふと蘇る。


俺はたった一台閉じられたPCが気になったが、仕事だったら外部に情報が漏れるのは良くないことだよな~とすぐに納得。