4705室。瑠華の部屋に到着してドッと疲れが来た。


単純に心音ちゃんのスーツケースが重いってのもあるけどね。


「いいとこ住んでるのね~」心音ちゃんは瑠華が勧めてないのに、我が物顏でソファにドサリと腰掛け脚を組む。


いいんだけどね、別に。うん。


綾子だって、裕二ン家でまだあいつらが付き合う前もこんな感じだったし、うん。


でも、自由過ぎだよ!!


だけど瑠華は慣れているのか「心音はゲストルーム使って?」と廊下の外を目配せ。


けれど心音ちゃんは瑠華の言葉を聞いてるのか聞いてないのか


「一緒に住んでるの?」と俺に質問を投げかけてくる。



「…いや、まだ」
「まさか」



言うまでもなく、前者が俺で後者が瑠華の意見。同じタイミングで口に出た言葉はあまりにも食い違っていた。


いいんだけどネ、うん……でも全否定されると悲しいよ。クスン。


「瑠華ってちょっと潔癖入ってるから大変でしょう?」


と、またもこそっと心音ちゃんは耳打ち。


「ははっ……」


俺は苦笑いしか返せない。自分の住む部屋はキレイにしてるつもりだけど、でも会社のデスクの上や中は常に「カオス」状態。瑠華から何度指摘されてもあそこだけはキレイにできない。


と言う出だしはどうであれ、その後俺たちは順番にシャワーを浴び終えたところで日はとうに過ぎていた。


夕方の鮭炒飯以来何も食ってないし、瑠華だって昼に牛丼を食べたきりになっている。流石に腹が減ったと言うことで、時間を顧みずピザのデリバリーを頼んだ。


「「Cheers.(乾杯)」」


と言って瑠華と心音ちゃんは言って、ビールの入ったグラスを合わせて、アルコールが入ると幾分かリラックスムードになったのがありがたい。