成田空港から瑠華のマンションまで一時間ちょっとと言う距離。六本木の瑠華のマンションに到着したのは20:30を回っていた。
帰る途中、長いフライトで疲れているだろうに、心音ちゃんはちっとも疲れて無さそうに、さっきから俺たちの仲……と言うかなれそめをしきりに聞いてきた。
なれそめなんて、ロマンチックには程遠いからな、俺はうまくはぐらかすのに必死。
言えるかぁ!
裕二と賭けをしてどっちが早く堕とせるか競ってたのがキッカケなんて。
心音ちゃんは俺の曖昧な返事に、ちょっと唇を尖らせて
「Guardが固いのね」と、つまらなさそう。
さっきも思ったけど、心音ちゃんの日本語は瑠華と違ってちょっとだけぎこちない。俺でも分かる英単語をひっぱり出して喋る辺り、日本にあまりなじみがないのかと思って聞いてみた。
「心音ちゃんはずっとニューヨークに?」
「そ。あたしは生まれも育ちもNYよ♪あまり国外に出たことないの」
聞けば、ちゃんと答えてくれる。美人だから、もっとツンツンしてお高く留まっているのかと思いきや、瑠華より全然気さくで話しやすい←失礼
「ニューヨーカーかぁ。かっこいいな~」なんて感心しているが
「心音はこう見えてコロンビア大学卒です。国外に出たことがないと言っていますが、6か国語を操れます」
と、瑠華が補足の説明をくれて
こ、コロンビア大学!!?6か国語!?
俺は危うくハンドルを切り損ねるところだった。
「て言うか『こう見えて』って要らなくない?瑠華って可愛い顔してサラッと毒吐くよね」
後部座席から身を乗り出し、心音ちゃんが俺にこそっと耳打ち。
ま、まぁ確かに??瑠華がそう言いたい気持ち分かったりもするが。
『可愛い顔して毒吐く』意見にも賛同できる。
美女二人と夜のドライブなんて最高のシチュエーションなのに、
何かが起こりそうな予感!?



