Fahrenheit -華氏- Ⅱ



俺と裕二は顔を合わせた。


これって天の助けじゃね!?


「「桐島!」」


ガシッ


俺と裕二、二人が桐島の肩に手を置いて桐島を真剣に見つめた。


「な、何……?」


薄気味悪い何かを見るような疑わしい目つきで桐島が顎を引き、


「お前ぐらい爽やかなら大丈夫そうだ」


「ああ、いかにも害がなさそうだしな」


俺たち二人の言葉を聞いて、桐島はあからさまに眉をしかめ疑いの視線を、はっきりと迷惑そうに変えた。


事情を簡単に説明してあの女を追い払って来いと頼むと、


「やだよ。そんなこと」と桐島は苦い顔。


「そこを何とか!俺を助けると思って」


と、裕二は桐島の前で拝み倒すも…


「ヤだよ。裕二を助けたって何の得にもならないもん」


と、にっこり返される。


ってか桐島…何げにひでぇな。


「俺からも頼む。今度奢らせるから!」


俺は勝手に裕二に奢らせる約束を取り付け、桐島はしぶしぶ


「帰るよう伝えるだけだからね」


と言って、ロビーまで歩いていった。







―――「桐島!キリシマ!!KI・RI・SHI・MA!!」


ってな具合に声援を送って、桐島がちょっと迷惑そうに振り返る。


その顔に苦笑いを返して、俺たちは手を振った。