物流管理情報部は、本社だけではない。
宮城と栃木、神奈川と長野に名古屋、大阪に岡山、愛媛県と福岡にそれぞれ一社ずつ。
東京は本社と港支社の二社ある。
一年に一回物流管理情報部だけで、東京に集まり大きな会議の後、懇親会と表した飲み会が開かれる。
その懇親会に瑞野さんも居たっけ……?
そういえば二村も神奈川支社だったな。
そのときはなんとも思ってなかったから、居たかどうかなんて今になっては思い出せない。
「あのとき…ゲームか何かで負けた佐々木さんがビールの一気飲みをさせられそうになって、佐々木さん困り果てていらっしゃったんです」
…それは覚えている。
あいつは下戸だから。
ジョッキ一杯あけることもあまりない。
そのときも、ジョッキの半分ほどですでに顔を赤くしていた佐々木に、これ以上飲ませたらぶっ倒れるだろうことが予想できた。
まぁ俺は佐々木と飲みに行くことも良くあったから、こいつのことを分かってただけで。
見かねた俺が佐々木のジョッキを奪って、代わりに一てかイマドキ「一気飲み」とか、パワハラもいい所だぜ。これだから老舗は……気飲みをしたってわけだ。
『イッキ、イッキ!』
とはやし立てる声の中、俺はビールを一気飲みした。
「私も何事か遠目で見てたんですけど、飲み終わったあと部長はにこにこしてグラスを置いていました」
「あんたそんなことしたの?」
と綾子が隣から聞いてきて、俺は半目で頷いた。
確かにそうだった。一気飲みを終えると、いつの間にか周りの連中が面白そうに注目してたっけね。
「最初はにこにこしてましたけど、部長……真剣な顔で…」
『俺の大事な部下に無理させるのはやめてくださいね』
そう言って、一気飲みをたきつけた男の人を睨むように見据えていました。



