瑞野さんは俺がいるとは思いも寄らなかったのか、慌てて頭を下げた。
「お疲れ様です」
綾子も少しだけ苦笑を浮かべ瑞野さんを見ると、
「今瑞野さんしかいないでしょう?休憩がてらこいつにコーヒー淹れてやって」
綾子が俺の方を顎で指し示し、瑞野さんははにかみながらもちょっと笑った。
う゛~~ん…いつも通り…
いつも通り可愛いな。
何て言うの?中身がハバネロしかない瑠華ちゃんに、1tほど砂糖を振りまぶした感じだ。
この子の好きな相手……
俺は今朝がた見た夢を思い出した。
『部長………好きです…』
あの言葉は、声は―――瑠華じゃなかった?
でも瑞野さんが俺を好きとは思えないんだけどなぁ。
何て言うの?俺のその辺の勘は結構当たるんだ。だてに長年遊んできたわけではない。
コーヒーを淹れる瑞野さんの横顔をじっと見つめて、
「……あの…」
と、瑞野さんが白い頬を赤らめて小さく声を出した。
俺の勘、外れたか??
まさか、まさかの読み違い??
なんて思ってると、瑞野さんは恥ずかしそうに顔を俯かせて、
「……部長、ファスナー開いてます……」
と、消え入りそうな声で一言。



