それはいつか夢の中で聞いた台詞だった。
でも、あの声は瑞野さんじゃなかった……
あれは瑠華だった―――筈…………
ホントニソウナノカ?
俺ハトンデモナイ間違イヲ犯シタノデハナイカ
『四角関係です。瑞野さんが好きな人も―――社内の人だって二村くんから聞きました』
ふいに頭の中をシロアリ緑川の声がよぎる。
音のない文字だけが、頭の中をすり抜けて、だけど俺の脳裏をひたすらにその言葉が満たす。
まさか―――…
―――嘘…だろ……
「嘘だと言ってよジョー…」
思わず口に出てしまって、
「またそのネタかよ、古いっつうの」
なんてすぐ後ろで今度は裕二の声が聞こえた。
今更、俺の夢に誰が出てこようが驚きはしないが、
何よ、この豪華キャストは!?オールスターかっつうの!!



