「Just for the record,I'm not all along of your property guide, it is not for pride, and it is not for Jennie, either.
(ついでに言うとあたしはあんたの財産目当てでも、プライドのためにすがりついてるわけでもないわ。ユーリのためでもない)」
あたしが冷たく言い放った言葉にもマックスはたじろいだ様子がない。
昔は……まだあたしの中で愛という感情があったときは、この自信に溢れた態度が好きだったし憧れでもあった。
だけど今は憎たらしい。
その高い鼻っ柱をへし折ってやりたいわ。
「I reason for not being divorced from you,
(あたしが離婚しない理由、)
In order to trouble you.
(それはあんたを苦しめてやれるからよ)」
I see,(ふーん)彼は興味深そうに目を細め、
「It is things as you still love me?
(それは俺にまだ気持ちがあるってことじゃないのか?)」とあたしの顎を指で持ち上げてきた。
「 It was only insufficient to put you down a peg. Your tongue should have been drawn out.
(鼻っ柱だけじゃ足りなかったわ。その舌も引っこ抜いてやりたい)」
あたしが睨むと、彼は苦笑を漏らしながらもあたしに顔を近づけてきた。
キス―――…なんてこの人と随分していなかった。
一緒に眠ることもなくなったし、テーブルで顔を付き合わせることもなくなっていた。
―――いつからか。
触れられることに酷く嫌悪を感じるようになったのは……
ガシャンっ!
バシッ!!
繊細な細工が施されたガラスのグラスが割れる音と、あたしが彼の頬を打つ音が重なって、あたしの耳朶を打った。



