――――!!
ゆ、裕二…お前、何でこのタイミングでそれを言うんだ!
「…い、いや…瑠華…これはわけがあって…」
俺は慌てて瑠華を見ると、瑠華は俺の方を見ておらず、ちょっとだけ口を開いて裕二を凝視していた。
何か言いたげに少しだけ口を開いたが、結局言葉にはせずに瑠華は額を覆い、再びソファに背を預けた。
「「「…………」」」
まるで部屋を圧迫するかのような重苦しい沈黙が流れ、裕二もさすがに言い過ぎたと言うか、バツが悪そうにテーブルに置いた手を引っ込め渋面を浮かべた。
「……悪い。言い過ぎた…」
ってかこの場で言うことじゃねぇ!!
瑠華は額に手を置いたままぴくりともしないし、裕二はちょっと反省したように顔を俯かせている。
最悪。
できれば裕二の首根っこを掴んで、今すぐにでも部屋からつまみ出したいぐらいだ。
でも、それじゃ何もならない。
とりあえずお互い冷静になるべきだ…
って、こんなこと思ってる自分が一番冷静じゃないんだけどね!
俺がマックスのことを気にしてるってことを、あろうことか裕二の口から聞かされた瑠華はどんな気持ちだろう…
それがどんなにショックで、どんなに腹立たしいことか想像すると心臓がねじれそうだ。
俺はソファを立ち上がると、瑠華の元にしゃがんで、まだ額を覆ったままの瑠華の両頬を手で包んだ。
瑠華が額に乗せた手をゆっくりと下ろし、うつろな目で俺を見下ろしてくる。
俺はその目をまっすぐに見返して、
「…ごめん、瑠華。ちゃんと話すから、とりあえず今は寝室に行こう」



